早川徳香(南山大学社会倫理研究所)
日本性科学会雑誌 37(1): 25-34, 2019.
自閉スペクトラム症(ASD)のsexualityと性的逸脱行動について概説し、問題行動の背景要因や適切な対応について考察した。ASD者も定型発達者と同様に性的な興味・関心をもち、性的な行動を示すことが明らかにされており、sexualityは重要な生活の一側面であることを示唆する知見が得られている。ASDのとりわけ思春期・青年期における性的な問題行動はまれなことではなく、健常な発達上の性的変化とASD特有の問題の相互に関連して生じると考えられる。また、当事者の社会的対人相互作用の発達に早期から着目することは性的逸脱行動の回避にきわめて重要と思われ、思春期・青年期のASD者にとって家族は健康なsexualityと性的な関係の発達を支える鍵となると考えられる。
日本性科学会雑誌 37(1): 25-34, 2019.
自閉スペクトラム症(ASD)のsexualityと性的逸脱行動について概説し、問題行動の背景要因や適切な対応について考察した。ASD者も定型発達者と同様に性的な興味・関心をもち、性的な行動を示すことが明らかにされており、sexualityは重要な生活の一側面であることを示唆する知見が得られている。ASDのとりわけ思春期・青年期における性的な問題行動はまれなことではなく、健常な発達上の性的変化とASD特有の問題の相互に関連して生じると考えられる。また、当事者の社会的対人相互作用の発達に早期から着目することは性的逸脱行動の回避にきわめて重要と思われ、思春期・青年期のASD者にとって家族は健康なsexualityと性的な関係の発達を支える鍵となると考えられる。