中村正(立命館大学)
日本性科学会雑誌 37(1): 13-23, 2019.
法務省が2006年度より実施している性犯罪者処遇プログラムの内容、効果の検証を行った研究を紹介し、検討をくわえる。2006年から10年間、筆者はこのプログラムのスーパーバイザーをしていた経験も踏まえた考察となる。このプログラムは認知行動療法をもとにしているが、心理療法というよりも矯正教育の一環であり、特別指導もしくは受講命令である。プログラムは個人のリスクコントロール力を向上させる目的がある。本稿では、その目的を概観し、さらに出所後の課題が大きいことを指摘する。とくに性犯罪者への烙印作用は社会的であることから、自己肯定感も低下し、就職がしにくくなり、感情的な混乱が生じやすい。一人では困難な課題といえる。社会的孤立に陥りやすい性犯罪者の本来的で潜在化している人間的ニーズの充足が大切である。そのためのサークルという取り組みを紹介する。社会的孤立と感情的な寂しさと苛立ちを克服する社会的な支援である。本稿は、教育による支援が性犯罪者の社会的再統合には不可欠であることを説明する。(著者抄録)
日本性科学会雑誌 37(1): 13-23, 2019.
法務省が2006年度より実施している性犯罪者処遇プログラムの内容、効果の検証を行った研究を紹介し、検討をくわえる。2006年から10年間、筆者はこのプログラムのスーパーバイザーをしていた経験も踏まえた考察となる。このプログラムは認知行動療法をもとにしているが、心理療法というよりも矯正教育の一環であり、特別指導もしくは受講命令である。プログラムは個人のリスクコントロール力を向上させる目的がある。本稿では、その目的を概観し、さらに出所後の課題が大きいことを指摘する。とくに性犯罪者への烙印作用は社会的であることから、自己肯定感も低下し、就職がしにくくなり、感情的な混乱が生じやすい。一人では困難な課題といえる。社会的孤立に陥りやすい性犯罪者の本来的で潜在化している人間的ニーズの充足が大切である。そのためのサークルという取り組みを紹介する。社会的孤立と感情的な寂しさと苛立ちを克服する社会的な支援である。本稿は、教育による支援が性犯罪者の社会的再統合には不可欠であることを説明する。(著者抄録)
