SNSプライベートグループPGADサポートJAPANの当事者を対象としたアンケート調査

池田 詩子(宮の森レディースクリニック), 早乙女 智子, 田中 奈美, 金子 法子, 丸橋 和子, 遠藤 俊明
日本性科学会雑誌 41(1): 131-139, 2023.
持続性性喚起症候群(PGAD)は望まない性器の興奮を持続的に感じる稀な状態であり,2001年に報告されてから病態が徐々に解明されつつあるが,実臨床での認知度は未だ低い。日本では2020年3月にSNS上でPGADをサポートするプライベートグループが発足,当事者や治療者間での情報交換が行う場ができ,2022年6月現在当事者や家族62人が参加している。そこで,当事者向けのインターネットアンケートを実施し,2022年2月~5月の間で10代から60代の当事者12名から回答があった。性別は女性11名,その他1名で,症状が始まった年齢は10代が6名と半数を占めた。毎日症状ある方が7名おり,治療に関しては,現在治療中が6名,治療を中断(症状あり)3名,治療を受けたことがない2名,自然に治癒した1名であった。この疾患の影響については,不安,仕事や学業に支障がある,眠れない,外出できないなどの問題を抱えている方が多かった。当事者の大半が,医療機関や社会一般への理解,難病指定などを望んでいた。PGADの原因は,局所→求心性神経→脳に至る様々なレベルで報告があり,複数科による診断・治療体制の構築が必要である。(著者抄録)