織田裕行(きじまこころクリニック), 山田妃沙子, 池田俊一郎, 許全利, 北元健, 松岩七虹, 中森靖, 木下利彦
日本性科学会雑誌 40(1): 39-49, 2022.
自殺は日本における主要な死因の一つである。なかでも高齢男性の自殺率が高い。この特徴が,LOH症候群のようなテストステロンの低下と関係があるなら,テストステロンに対する積極的な検査と治療が自殺予防の効果的な戦略となりうる。そのため,今回,ホルモン値と自殺の関係について調査し検討した。2017年4月から2020年3月までに関西医科大学総合医療センター救命救急センターに搬入された自殺企図者のうち,20歳以上の男性は71人であった。この71人のうち,遊離サイロキシン値は36人で測定され1人が基準値を下回っていた。総テストステロン値は22人で測定され9人が基準値を下回り,1人が上回っていた。このことから,総テストステロン値は遊離サイロキシン値に比し,検査頻度は低いが高い頻度で基準値を下回っていることが分かった。同時に,総テストステロン値の低下は年齢にかかわらず自殺企図に関連する可能性があると推測された。今後は,自殺企図男性の総テストステロン値に関する積極的な評価を行い,TRTを含めた適切な治療につなげることが望まれる。本稿は,総テストステロン値と自殺企図との関係について調査し検討した日本における最初の論文である。(著者抄録)
日本性科学会雑誌 40(1): 39-49, 2022.
自殺は日本における主要な死因の一つである。なかでも高齢男性の自殺率が高い。この特徴が,LOH症候群のようなテストステロンの低下と関係があるなら,テストステロンに対する積極的な検査と治療が自殺予防の効果的な戦略となりうる。そのため,今回,ホルモン値と自殺の関係について調査し検討した。2017年4月から2020年3月までに関西医科大学総合医療センター救命救急センターに搬入された自殺企図者のうち,20歳以上の男性は71人であった。この71人のうち,遊離サイロキシン値は36人で測定され1人が基準値を下回っていた。総テストステロン値は22人で測定され9人が基準値を下回り,1人が上回っていた。このことから,総テストステロン値は遊離サイロキシン値に比し,検査頻度は低いが高い頻度で基準値を下回っていることが分かった。同時に,総テストステロン値の低下は年齢にかかわらず自殺企図に関連する可能性があると推測された。今後は,自殺企図男性の総テストステロン値に関する積極的な評価を行い,TRTを含めた適切な治療につなげることが望まれる。本稿は,総テストステロン値と自殺企図との関係について調査し検討した日本における最初の論文である。(著者抄録)
