高校生におけるSNSの中でのデートDV

千葉智美(岡山大学大学院保健学研究科博士前期課程), 細木菜々恵, 中塚幹也
日本性科学会雑誌 38(1): 31-42, 2020.
【目的】高校生の生活でSNSは欠かせない。しかしSNSを介したトラブルもあり、デートDVにおいてもSNSの位置づけに注目すべきである。本研究では高校生におけるSNSの中でのトラブルやデートDVの実態を調査した。【方法】2017年7~9月、A県の高校生1,409名を対象に無記名自己記入式質問紙調査を実施した。倫理委員会の承認のもと、了承の得られた高校で研究の趣旨を伝え、同意の得られた高校生に質問紙を配付した。記入、回収箱への投函を以て同意とした。【結果】携帯電話の使用で「友人関係が良くなった」との回答は58.7%であったが、「返信がないと不安」20.5%、「嫌なときに『やめたい』と伝えられない」31.5%との回答もあった。SNSの中でのデートDVを29.4%が経験し、「やり取りの内容を勝手に見られる」13.1%、「返信が遅いと怒られる」11.7%などがあった。携帯電話依存、普段の生活での「さみしさ」との関連を見ると、携帯電話依存群、「さみしい」群の方が、有意に高率に被害を受けていた。【考察】高校生は携帯電話、SNSの友人関係へのメリットを感じていたが、トラブルも生じていた。デートDVに関する啓発のほか、携帯電話への依存、「さみしさ」などの視点での対策も必要である。(著者抄録)