大学生の恥ずかしさと心理的安全感の問題に留意した性教育

伊藤弥生(九州産業大学)
日本性科学会雑誌 31(1): 77-87, 2013.
性に関して扱う際の恥ずかしさと心理的安全感に配慮した性教育のあり方について検討した。授業実践校は、A大学、文系4学部、理系2学部、芸術系1学部と大学院を擁する大学であった。性に関して扱う準備のないものに無理強いしない心理的安全感への配慮から選択科目で行った。1年目の学部生対象の初めての実践では、受講者は12名であった。2年目では、演習科目で受講生は2名であった。講義科目ではAクラス93名、Bクラス80名、Cクラス121名が受講した。3年目では講義形式で受講者数は98名であった。本実践では受講者間のダイナミックな動きとして、恥ずかしがって浮つく者により他学生の心理的安全感が損ねられる現象が見られた。実践者が恥ずかしさと心理的安全感の問題がないよう様々に準備しても本人が性的に興奮しやすく、周りに同様の仲間がいると同調し合い、気になる目が傍にあることもあり、強烈な恥ずかしさが生じ、きまりの悪さから熱心な者を冷やかしたりふざけたりする行為が見られた。