妊娠期および産後育児期の夫婦間の性的関係に関する研究

玉熊和子(秋田看護福祉大学看護学科), 益田早苗
日本性科学会雑誌 26(1): 46-55, 2008.
A・B県内の保健センターなどにおいてマタニティ・セミナーや育児相談を受けた夫婦51組にアンケートを行い、妊娠期および産後育児期における夫婦間の性的関係の状況について調査した。結果、夫婦ともに「性生活は重要である」と回答したカップルは28組(55%)で、夫・妻別にみると「重要である」と回答した割合は夫のほうが有意に高かった。夫婦ともに「お互いの性的関心や欲求が合っている」と回答したカップルは23組(45%)で、夫・妻別で有意差は認めなかった。パートナーとの将来の性的関係について「妊娠・出産を機に豊かになる」と回答した夫婦は2%、「今までと変わらない」が26%、「性的関係が少なくなる」が13%、「性的関係が全くなくなる」が2%であった。将来の性的関係の程度を得点化し、現在の性的関係との関連について検討した結果、現在夫婦間の性的関心や欲求が一致しているほど、また現在性に関するコミュニケーションがあるほど将来の性的関係を良好なものと捉えていた。