中高年独身者のセクシュアリティ 結婚歴別の差についての検討

大川玲子(国立病院機構千葉医療センター産婦人科)
日本性科学会雑誌 23(Su:pl.): 33-42, 2005.
40~70歳代の独身者を対象にセクシュアリティに関するアンケート調査を郵送で実施し,得られた女263人と男145人のデータ(有効回答回収率22.2%)を分析した.離婚女性は肉親同居が多く,経済的自立性と性的活動性が高かった.未婚女性は独居が多く,経済的自立性が高かったが,性的活動性は離婚女性ほど高くなく,関心の対象の1位は仕事であった.死別女性は高年齢で,経済的自立性と性的活動性が低かったが,性以外は現状に満足していた.離婚男性は性的活動性が高いが,結婚願望は低かった.しかし,現状に満足していた.未婚男性は結婚願望は強かったが,性的活動性が低く,現状に不満を感じていた.死別男性は60~70歳代では性的活動性が高く,関心の1位は交際相手であったが,40~50歳代では性的活動性は低かった