女性の性機能障害の診断に関する疑問と提案(II) 性嫌悪を中心として

渡辺景子(日本性科学会カウンセリング室), 金子和子
日本性科学会雑誌 16(1): 22-28, 1998.
女性の性機能障害のうち性嫌悪を取り上げ,従来の問題点を明確にし,再定義への提案を行った.対象は女性の性機能障害患者のうち,挿入不全77名,性交疼痛症21名,性的回避30名の計128名であった.それぞれにおける嫌悪感・恐怖感の有無,心理的背景,セックスレスの比率等について調べた.その結果,女性の性機能障害患者が,性に対する否定的な感情を表明したときは,その女性の性行動の有り様,不快の種類等を明確に把握し,嫌悪と恐怖とを明確に区別することが望ましいことが示唆され,このことは治療上からも重要と考える.そこで新しい定義案として,身体・行為という側面と,心理的・感情的な側面を分け,双方から把握しようとする定義を提案した