女性の性機能障害の診断に関する疑問と提案(I) ワギニスムス,性交疼痛症に関して

金子和子(日本赤十字社医療センター), 渡辺景子
日本性科学会雑誌 16(1): 16-21, 1998.
女性の性機能障害のうちワギニスムスと性交疼痛症を取り上げ,従来の問題点を明確にし,再定義への提案を行った.女性の性機能障害の挿入できない状態や性交時の痛みを,腟痙の有無や痛みの原因の判別のみで論じるのではなく,背後に身体的理由が認められるか否か,心理的問題が何であるかを取り上げるのが重要である.つまり,身体面と心理面の二面から立体的に見ることが重要であり,身体化の程度,病理の種類と程度等によって再定義し直す必要がある.そこで従来ワギニスムス,性交疼痛症と言われていたものに関しては,誰にも明解な挿入可能であるかどうか,を第1義に取り上げ定義し,攣縮の有無,痛みの有無と質等を付け加えるのが現実的であると考えられた