大川玲子(国立千葉病院産婦人科)
日本性科学会雑誌 16(1): 9-15, 1998.
ワギニスムスとして治療した患者92名の診療記録を初診時所見を中心に検討し,この障害の包括的な再定義を試みた.所見の内訳は,A群:腟の攣縮を認める者64名,B群:腟に到達できない者17名,C群:外陰に触れることもできない者4名,D群:内診可能で腟の不随意収縮を認めない者7名であった.B群はすべて治療経過中に腟の不随意収縮を認めることができた.C群は1名のみ経過中に1指挿入し,確認できた.D群では治療中の詳細な問診により,ペニス挿入段階で腟口閉鎖という身体反応がおこることが強く推測できた.以上より,ワギニスムスと判断したほぼ全例で腟の不随意収縮ありと推定できた.腟の攣縮は病態の中核であるが,本質は「腟への挿入に対する,より全身的な反応も含む条件反射的な拒絶」であり,性交疼痛障害としてのワギニスムスの名称にこだわらず,機能的な診断名としての性交障害,腟挿入障害とすることを提案する
日本性科学会雑誌 16(1): 9-15, 1998.
ワギニスムスとして治療した患者92名の診療記録を初診時所見を中心に検討し,この障害の包括的な再定義を試みた.所見の内訳は,A群:腟の攣縮を認める者64名,B群:腟に到達できない者17名,C群:外陰に触れることもできない者4名,D群:内診可能で腟の不随意収縮を認めない者7名であった.B群はすべて治療経過中に腟の不随意収縮を認めることができた.C群は1名のみ経過中に1指挿入し,確認できた.D群では治療中の詳細な問診により,ペニス挿入段階で腟口閉鎖という身体反応がおこることが強く推測できた.以上より,ワギニスムスと判断したほぼ全例で腟の不随意収縮ありと推定できた.腟の攣縮は病態の中核であるが,本質は「腟への挿入に対する,より全身的な反応も含む条件反射的な拒絶」であり,性交疼痛障害としてのワギニスムスの名称にこだわらず,機能的な診断名としての性交障害,腟挿入障害とすることを提案する
