外陰部痛を主訴とした3男性例の精神病理学的考察 精神科,泌尿器科リエゾンの経験から

広沢郁子(順天堂大学医学部附属浦安病院神経精神科), 川地義雄, 阿部輝夫
日本性科学会雑誌 9(2): 85-91, 1991.
1) 39歳,37歳,43歳外陰部に限局した「痛み」を訴えた3男性例.2) 3症例の「痛み」は,Walters, A.の述べるpsychogenic regional painもしくはpsychogenic magnification of physical painに該当した.3)これらの「痛み」は「社会的男性性」および「生殖的,性的行為を通じて維持される男性性」の喪失と関連していた.4) 3症例は「痛み」に対し,単なる痛みの訴えを越えた精神的反応を示していた.5)このことは,さらに「痛み」の背景に男性としての「全人間性」の喪失の危機が存在し,その不安の大きさゆえに,転換による意識下への隠蔽が困難であるためと思われた