依存症専門外来でセクシュアルマイノリティであることを自らカミングアウトした物質使用障害患者の予備的研究

西村康平(神奈川県立精神医療センター依存症診療科), 小林桜児, 板橋登子, 黒澤文貴
日本性科学会雑誌 40(1): 51-61, 2022.
セクシュアルマイノリティである物質使用障害患者は,一般的な物質使用障害患者の抱えている「生きづらさ」に加え,セクシュアルマイノリティに特徴的な「生きづらさ」も存在していることが考えられる。そのため神奈川県立精神医療センター依存症専門外来におけるセクシュアルマイノリティ患者の臨床的特徴について,予備的調査を実施した。Gay患者は29名で最も多く,主な依存物質は覚醒剤が22名,シンナーが1名,危険ドラッグが2名,2剤以上の依存物質がある多剤が4名であった。Lesbian患者は1名で,主な依存物質はアルコールであった。Bisexual患者は男性2名,女性2名であり,主な依存物質は男性が覚醒剤,女性は向精神薬が1名,多剤が1名であった。Transgenderについては,BisexualのTrans女性が1名で依存物質は多剤,HeterosexualのTrans女性が1名で依存物質は多剤,Trans non-binaryが2名で主な依存物質は生物学的には女性として出生した1名はアルコール,生物学的には男性として出生した1名は多剤,Questioningが2名で主な依存物質は2名とも多剤であった。(著者抄録)