未完成婚夫婦へのセックス・セラピーの1例

青木孝允(婦人科青木クリニック)
日本性科学会雑誌 16(1): 36-38, 1998.
未完成夫婦(夫37歳,妻30歳)のセックス・セラピーの1例を報告した.夫婦は月に1~2回性行為を行っているが,腟へのペニスの挿入が怖くてできない.クリトリスが刺激された時は快感があるが,夫が覆いかぶさってくると恐怖感で身体が反り返ってしまうという訴えがあり,結婚以来全く性的結合ができていない.10回にわたる面接中には,性的結合は達成できなかった.本症例は,妻の「性交不安」であるのか,「腟痙」であるのか,診断ははっきりしなかった.面接経過中に夫の2次性のインポテンスが生じ,妻の症状に気をとられて,夫の性経歴や性格傾向を軽く見ていたことを反省させられた