織田裕行(関西医科大学精神神経科学講座), 山田妃沙子
日本性科学会雑誌 38(1): 55-61, 2020.
著者らは自殺予防の研究や事業と並行して、勃起障害やLOH症候群、性同一性障害を含む性に関する領域の両方に20年以上に亘り携わってきた。この経験を踏まえ、本稿では男性更年期のメンタルヘルスについて自殺予防や性科学の視座から検討をおこなった。LOH症候群と自殺に関する文献をPubMed及び医学中央雑誌を用いてクロス条件検索し、該当する文献について検討した。さらに、自殺に関する統計、自殺予防や自殺対策、LOH症候群に関する文献を用いて男性更年期のメンタルヘルスについて考察を加えた。LOH症候群と自殺の関係性を考察した文献は確認できなかった。50歳代とそれ以上の年代において、自殺死亡率は高く同時に遊離テストステロン値が低下しているという現象が認められた。LOH症候群はうつ病と関連があるというShoresによる報告と、うつ病と自殺には強い関連があるという報告が存在した。男性更年期以降のメンタルヘルスの問題として自殺死亡率の増加が挙げられる。その原因の一つとして遊離テストステロン値の低下という可能性も推測された。本稿はLOH症候群と自殺に関する文献的考察をおこなった最初の論文である。(著者抄録)
日本性科学会雑誌 38(1): 55-61, 2020.
著者らは自殺予防の研究や事業と並行して、勃起障害やLOH症候群、性同一性障害を含む性に関する領域の両方に20年以上に亘り携わってきた。この経験を踏まえ、本稿では男性更年期のメンタルヘルスについて自殺予防や性科学の視座から検討をおこなった。LOH症候群と自殺に関する文献をPubMed及び医学中央雑誌を用いてクロス条件検索し、該当する文献について検討した。さらに、自殺に関する統計、自殺予防や自殺対策、LOH症候群に関する文献を用いて男性更年期のメンタルヘルスについて考察を加えた。LOH症候群と自殺の関係性を考察した文献は確認できなかった。50歳代とそれ以上の年代において、自殺死亡率は高く同時に遊離テストステロン値が低下しているという現象が認められた。LOH症候群はうつ病と関連があるというShoresによる報告と、うつ病と自殺には強い関連があるという報告が存在した。男性更年期以降のメンタルヘルスの問題として自殺死亡率の増加が挙げられる。その原因の一つとして遊離テストステロン値の低下という可能性も推測された。本稿はLOH症候群と自殺に関する文献的考察をおこなった最初の論文である。(著者抄録)
