石丸径一郎(東京大学大学院), 針間克己
日本性科学会雑誌 27(1): 25-33, 2009.
性同一性障害患者の性指向と性行動歴について検討した。Female To Male(FTM)が294名(62.8%)、Male to Female(MTF)が174名(37.2%)の468名を対象とした。性指向は、FTMは90%以上が女性に性的魅力を感じていたが、MTFは多様で、男性に性的魅力を感じる者が44.8%と最も多く、両性ともに性的魅力を感じる(23.0%)、女性に性的魅力を感じる(15.5%)が続いた。性行動歴も、FEMは女性と性的接触を持った経験を多くが持ち、MTFは、性指向同様、多様であった。FTM、MTFとも性指向と異なる性的経験を多くの者が持っており、医療現場や周囲の人々には、性同一障害当事者たちの性指向と性行動歴の多様性や複雑さを理解した上での対応が望まれると思われた。
日本性科学会雑誌 27(1): 25-33, 2009.
性同一性障害患者の性指向と性行動歴について検討した。Female To Male(FTM)が294名(62.8%)、Male to Female(MTF)が174名(37.2%)の468名を対象とした。性指向は、FTMは90%以上が女性に性的魅力を感じていたが、MTFは多様で、男性に性的魅力を感じる者が44.8%と最も多く、両性ともに性的魅力を感じる(23.0%)、女性に性的魅力を感じる(15.5%)が続いた。性行動歴も、FEMは女性と性的接触を持った経験を多くが持ち、MTFは、性指向同様、多様であった。FTM、MTFとも性指向と異なる性的経験を多くの者が持っており、医療現場や周囲の人々には、性同一障害当事者たちの性指向と性行動歴の多様性や複雑さを理解した上での対応が望まれると思われた。